Helvetica周辺の書体〜ヘルベチカ代替フォント
この記事の一番上の画像を見てください。ヘルベチカでロゴを組んでみました。
このようにヘルベチカを利用したロゴは多い。
ニュートラルな雰囲気で、世界一人気があるかもしれない書体Helvetica。
ちなみにHelveticaはヘルベチカと読みます。Windowsで似た書体はArial。
というわけで以下の画像のようなフォントです。
Helveticaのウェイト展開
ヘルベチカは豊富なウェイト展開(太さ)のフォントです。しかしMacOSのデフォルトの場合、すべてのバリエーションは含まれておらず抜粋です。これはヒラギノや游ゴシックにも言えることです。ヘルベチカは太さのバリエーションの他にコンデンスド(幅が狭い)、エクステンデッド(幅が広い)も含まれています。たぶんOSデフォルトの場合、上記のロゴの半分も作れないかもしれません。またHelvetica Neueというヘルベチカを少し修正したフォントもあります。これも一部がMacOSに入っています。iOSや新しいMacOSにも採用されているので、多くの人が見慣れているフォントです。
Helveticaでロゴを作る
ヘルベチカは本文やサインだけではなくロゴにも向いた万能選手です。もういちど、一番上の画像を見てください。同じヘルベチカですが、同じロゴはありません。逆に言うとヘルベチカだけでも、これだけのアイデアがあるということです。文字の太さと幅でみごとに企業イメージを生み出しています。また文字と文字の間隔を見てください。FENDIやTOYOTAは文字の間隔が広いです。逆にMicorosoftは狭いです。また3Mやgraniph、Oral-Bなどは文字がくっついています。
Helvetica以外のフォントも利用する
近年ロゴのリニューアルでヘルベチカベースのデザインから、もう少しポップな雰囲気に変更している企業も多い。理由としてはデザイナーがいろいろな書体を使 い分けるようになった事や、Helveticaの王道感のあるクセが避けられるようになった事などがあるかもしれない。例えば「R」や「a」はヘルベチカらしい部分だと思うし、「s」や「g」の形も少し特徴的だ。これらは強く安定した印象を感じるが、親しみ、軽さ、クリーンな感じを出したいなら他のフォントの方が向いているかもしれません。
どちらにせよHelveticaを知ると共に、似たフォントも知っておけば良いと思います。私の個人的感想とともに、おすすめのフォントをご紹介します。
クラシック
Neue Haas Grotesk
ヘルベチカより古い、20世紀初頭のネオグロテスク運動の中の書体の一つです。かなりヘルベチカのデザインに近いので普通の人では見分けが付かないかもしれません。一番異なるのはフォント版は複数の「R」と「a」が用意されていることです。実はヘルベチカのRが嫌いな人は多いのでなにげに嬉しいですね。
Akzidenz Grotesk
Akzidenz GroteskはNeue Haas Groteskよりもさらに古く、Neue Haas Grotesk、ヘルベチカの元になった書体とも言われますが、謎の多い書体でもあります。営団地下鉄など身近な部分でも使われていました。全体的にはヘルベチカよりもNeue Haas Groteskよりスッキリとしているのに、味わいのあるデザインです。「R」の足の部分はシュッとまっすぐで、文字の先端の雰囲気もヘルベチカと異なっています。
ARS Maquette
人気の高いヘルベチカっぽい形のフォントです。しかしながら全体的にはスッキリと整理され、女性的な印象です。絶妙なバランスで非常に使いやすいフォントです。空間のとらえ方もヘルベチカとは違っています。eやsを見るとそれがよく分かると思います。
Akkurat
グラフィックデザイナーの間で人気の、さわやかで清潔感のあるヘルベチカスタイルのフォントです。プラダやナイキなどでも使用されています。「a」とかヘルベチカっぽいのに、都会的なギリギリのバランスだと思います。
Supria Sans
19世紀的な書体の復刻を感じさせながらも、もっさりした感じが無く、風通しの良いデザインです。カーブのラインが特徴的でデザイナーの間で評価の高いフォントです。文字のカーブのデザインが独特で「r」などはかなり個性的だと思います。
Encore Sans
古典的なデザインと現代的なデザインが絶妙にブレンドされたフォントです。バランスが取れていて、ファミリーも豊富な書体なので、企業のCIからサイン計画まで幅広く使える信頼性の高いフォントです。
ベーシック
Theinhardt
スイスのタイポグラフィックデザイナーのフランソワRappoによって2009年に公開されたAkzidenz Groteskに似ている書体。洗練された印象で「form」マガジンなど、かなりかっこいい使われ方をされている。
Pragmatica
ParaTypeによる19世紀のグロテスクデザインを元にした書体。豊富なファミリーは雑誌や書籍から広告や見出しに、幅広く使用可能。スラブセリフもある多様な展開が望める。
Myriad
AppleやAdobeなどで使われている誰もが目にしたことのあるフォント。Frutiger(フルティガー)をベースに開発された使いやすいフォントです。AppleやAdobe社製品を使っている人はたぶん自動的にインストールされていると思います。
Univers
Helveticaと同じくらい有名な書体で、空港などでも使われています。計算されたウェイト展開と、隙の無いバランスのデザイン。
モダン
Adelle Sans
非常に評価が高く個人的にもよく使うAdelleのサンセリフバージョンです。クリーンな印象で使いやすいフォントです。Adelleが個人的に好きなので、もし買うとしたらそちらのほうが先かもしれません。
Proxima Nova
おそらくwebフォントとして一番使われているであろうフォントですが、webフォントとしてだけなく印刷用としても定番のフォントです。Helveticaのような雰囲気にFuturaの幾何学的なデザインをプラスしたような独特のデザインです。
FF Meta
1980 年代にドイツの郵便局専用の書体としてデザインされたものを元に作られたフォント。広告からwebフォントまで幅広いシーンで人気の書体。
その他参考になるウェブページ
Neue Haas Grotesk — Helveticaの元になったと言われる金属活字がフォント化
10 inspired alternatives to Helvetica