バリアブルフォントって知っていますか?
バリアブルフォント(Variable Font)とは、Adobe・Apple・Google・Microsoftが共同で開発したフォントの規格。よくあるのは太さ、字幅などを自由に調整できるフォント。
1つのフォントに一杯のフォントが入っているぜ、的な感じで把握しておくと分かり易いかも。今後はいろんなソフトで使えるようになるので覚えておくとお得です。
ただし使える環境がまだ限られています。例えばAdobeで言うとIllustrator CC 2018〜とPhotoshop CC 2018〜で、それ以前のバージョンでは使えません。ちなみにCC 2018以降には新しいバリアブルフォントが、はじめからたくさん入っています。
主要ブラウザも対応しているので、Webフォントとしても活用する機会が増えるでしょう。少ない容量でウェイトなどが自由に設定出来るのに加え、アニメーション的に動きを出すことも可能になります。
ウェイト以外にも色々な設定が出来ます。「Movement Variable」という フォントを見てみましょう。
このフォントは太さ以外に、もう一つの軸が設定されていて、動かしてみるとかなり楽しいです。このフォントのライセンスはCC BY-ND 4.0になります。
バリアブルフォントを紹介しているhttps://v-fonts.com/というサイトもあるので訪問してみると、もっとよく分かります。バリアブルフォントが一覧でかなりの数で紹介され、実際にどうのように変化するか試すことが可能です。文章を読むよりも実際に見たり、使ったりする方がバリアブルフォントを知る上で有効でしょう。
いくつか便利なリンクも紹介します。
Font Playground バリアブルフォントの紹介&動かせるサイト
DINAMO Font Gauntlet 自分の持っている&作ったバリアブルフォントの検証ができる
FF Meta Variable
Metaはヒューマニストサンセリフの人気フォントで、フォント全体の販売ランキングでも常に上位にいる人気書体です。ハーマンミラーや少し前までのFirefoxなど企業ロゴとしても定番で90年代を代表する書体です。そのMetaのバリアブルフォント版が現在期間限定でダウンロードできます。ただし使用制限があり、あくまでデモ版なのでご注意を。とはいえバリアブルフォントを理解する上で、もっとも適切なフォントなので、ぜひ試してみるべきフォントです。
League Mono Variable
League Mono Variableは等幅のオープンソースのフォントです。結構バリアブルフォントには等幅の物がある気がします。その中でもLeague MonoはSFっぽい雰囲気があって面白いです。ウェブフォントとしての使用を想定し、woff2での配布もGithubで行われています(woff2はwoffの圧縮率の高い次期フォーマットです)
Voto SerifはMonotypeのオープンソースフォントです。Noto seifベースで作られており、太さ・幅・横線の太さの3軸のバリアブルフォントです。標準的な用途はコレ一つでまかなえそうな、万能感があります。
Jobinは商用は不可ですが、少し面白いデザインのフォントです。太さと幅の軸に加えSwashの軸があり、Swashの有無と強弱を調整できます。このSwashを別の変化軸として、捉えるデザインは心ひかれる物があります。
Decovarは15軸もある極めて実験的なオープンソースのフォントです。全部の軸を異なるスピードで動かしてみたら、かなり変な動きになりました。元のフォントはシンプルでも、15個のエフェクトを同時に行うととんでもないことになりますね。しかし可能性としてこういうことも出来るという、面白いフォントだと思います。